【陸軍-AFV-ドイツ-二次大戦】戦車TOP10 第10位 ケーニヒスティーゲル

 第10位  ケーニヒスティーガー(キングタイガー) 

KingTiger
ケーニヒスティーゲル(ティーガーⅡ)
 誰もが知っている、ドイツの誇る、第二次世界大戦中最強戦車です。戦車同士の1対1の戦いで、互いに同じ条件で対決すれば、どんな戦車に勝利できる戦車です。
 案外と評価が低いのは、活躍しなかったからです。活躍できなかったのは、「十分な数が無かったから」、「制空権が奪われ移動がままならなかったから」、「錬度の十分な戦車兵がいなかったから」、などの理由は言い訳にすぎません。開発者はそんな国家の状況に適した戦車を開発すべきだからです。もし、その状況を見抜けなかったなら、それは開発者の時代を見る目がなかったからです。敵より先を読むのは戦略の基本です。ドイツが二次大戦初期に電撃戦で勝利したのはそのためではなかったでしょうか。
 
 制式名称Panzerkampfwagen VI Ausf. B "Tiger II" 、制式番号Sd.Kfz.182、名称からはTigerI の後継車ですが、設計思想からみるとパンターの発展形だと分かります。対戦車用の長口径の88mm砲をそなえ、傾斜のある重装甲を備えています。対戦中の全ての戦車をアウトレンジから攻撃できる可能性を備えています。可能性なのは、実際は高度な照準技量を乗員が備えていなければ遠距離での攻撃を成功させることは難しいからです。特に、攻撃に際しては難しかったと思います。
 重量は70t近くに達し、現用のM1A2以上に重い戦車です。当時のドイツが持つ、エンジンやトランスミッションの性能の実用限界の重さだったと思われます。事実、故障が多く、軍用品としての信頼性は低く、物資の不足した劣勢のドイツにとって 燃費の悪さも大きな障害になりました。写真にも、燃料不足で放棄された車両がよく撮られています。少年時代、この戦車の写真集を好きで良く見ていましたが、大好きな戦車が強力な戦闘力を発揮することなく路肩に遺棄される姿(アルデンヌ前線の写真)は、逆に、哀れにも思えました。
 
 しかし、数ある戦車の中で、あえてTOP10に選んだのは、大好きだから、、ではなく、ここまでの攻撃力と防御力を、困難ながらも、戦場で使用できるものにまとめ上げたからです。マウス戦車はより強力ですが、決して脅威とはならなかったでしょう。しかし、この戦車は、敵に、「もしキングタイガーがいたらどうしようか」と考えさせるには十分なほど活躍していたのです。特に、西部前線では、対するM4が脆弱だったために、この戦車への対処を怠ると致命的な結果をもたらす可能性がありました。重量に比べあまりに足回りが脆弱という基本的なバランスの悪さを除くと、先進的な車体設計と、生産のしやすさへの配慮がもりこまれたデザインになっていて、非常に完成度の高い設計といえるでしょう。
 ただ、パンターが十分に強力であったことを考えると、もう少し軽く設計しても良かったのではないかと思います。