【陸軍-AFV-ドイツ-現用】戦車TOP10 第6位 レオパルド1

第1位のレオパルド2とともに先代も登場し、なんと第6位。
第2世代の戦車はどれもぱっとしないが、最も切実に大規模な機甲戦の可能性があった時代の戦車である。
西側にとって、ソ連とワルシャワ条約機構軍の機甲部隊は核兵器以外では、最大の脅威であった。そして、西ドイツはその最正面にあった。
桁違いの数を有する東側の戦車に対して、それに抗する機甲部隊と戦車を整備することは西ドイツにとって軍事的に必須事項であった。
これは、中東のイスラエルに似た状況といえる。
その切実さが、この第2世代の傑作戦車を産み出した。
 
全長

9.54 m

車体長

7.09 m

全幅

3.25 m

全高

2.61 m

重量

40 t

懸架方式

トーションバー方式

速度

65 km/h(整地)

行動距離

600 km

主砲

51口径105mmライフル砲L7A3

副武装

7.62 mm機関銃MG3i ×2

装甲

砲塔60 mm
防盾52 mm
車体前面70mm

エンジン

MTU MB838CaM-500
4ストロークV型10気筒ディーゼル
830 馬力 / 2,200rpm

乗員

4 名
 
現在からすると、戦後第2世代のMBTの位置づけはあいまいである。
ソ連のT-55戦車に対抗して、1960年代から1970年代前半までに登場したMBTと言うべきだろうか。
西側の場合、51口径105mm砲、ステレオスコープ式の測遠器、多燃料ディーゼルエンジン、NBC防御などが基本的な装備で、
割りに軽装甲で機動性を重視した設計のものが多い。
この時期には、MBTの役割がはっきりしてきており、軽戦車や重戦車という区分の戦車が開発されなくなり、戦車=MBTという形になりつつあった。
 
MBTの定義があいまいな事と同じように、戦車の設計にもあいまいな部分があり、第3世代戦車のように、各国が姿形まで似た戦車を開発したのと対照的に、
第1世代のM46からそのまま進化したM60のような「らしい」戦車もあれば、スウェーデンのStrv103のような無砲塔の戦車まである。
 
さて、この第2世代のMBTの中で比較すれば、レオパルド1戦車が、最も優秀で実用性の高い戦車であることは疑問がない。
ドイツが、戦後のブランクを経て、この傑作戦車を開発できたのは偶然ではない。
彼らは、そのブランクのリスクを警戒し、試作・テストを繰り返して、技術的な実証を十分に行い開発したのだ。
これは、同じく敗戦によりその技術的な資産を失った日本も同じで、第2世代最後の74式戦車の開発の前に、
技術実証試験的に61式戦車を開発したのと同じ意味を持っている。
 
ただ、ドイツと日本との違いは明確である。歴史的に積み上げられた技術的なセンスだ。
かたや無敵のティーガー戦車を作った国、かたや最後まで実用的な戦車を持たなかった国、この差がその戦車開発に現れている。
例えば、エンジン。日本製のエンジンも優秀だが、性能の限界点近くでは、蓄積されたセンスが足りない日本では追いつかないものがあった。
エンジンの構造そのものは発明されてから半世紀ほどでほぼ固まったが、燃焼のタイミングやピストンの応力制御や駆動ギアとの関連でのシリンダの回転の制御など、
実に細かいノウハウが必要な部分が数多くあり、それは直ぐに得られるものではない。
アメリカがM1にガスタービンを採用したのも、細かい蓄積されたノウハウより、アカデミックな部分での研究成果に自信があったからだろう。
 
第2世代最高の戦車のレオパルド1は、他世代の戦車との比較でも優秀と言えるだろうか?
イエスである。
第2世代戦車は軽装甲で、中東戦争での戦訓があって以降、設計思想の失敗と思われている。
戦車に必要な装甲は、「MBTの主砲以外の地上兵器に対して無敵」であればよい。
レオパルド1戦車開発時の「MBTの主砲以外の地上兵器」とはどんなものであったろう。
対戦車ミサイルはようやく照準線合致方式(目標に目印を合わせ続ける)が実用化され、命中率がある程度上がり始めた。
しかし、人間の手で照準し続けるので、安定化されていない装甲車の上で機動を繰り返しながら照準を続けることはできない。
つまり、あくまで防御兵器で、攻勢局面での機動戦には向かない。
このように、まだミサイルがそれほど脅威でないなら、それへの対処を、リスクの大きい装甲での対処より、
機動力やシルエットの低減で対処するのは間違いではない。
まして、戦場での最大の脅威が核兵器であった当事、重装甲より機動性を重視するのは当然である。
 
もちろん、核戦力の脅威が減り、軽量の対戦車兵器が発達してくるにつれ、レオパルド1は改良され、時代の要求に答えてきた。
この懐の大きさもこの戦車の優秀さと言えよう。
しかし、ドイツ戦車は優秀である。
 
 
 
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