中国のJ-20はF-22ラプターを超えるか?(ロシアのスホーイT-50も)

超えない。

中国のJ-20はせいぜい4.5世代の機体で、ラプターに対抗できるようなものではない。

ちなみにF-22ラプターは各国の最新鋭機との想定比較で、1:20~1:4程度のキルレシオを有しており、

単機同士の比較では並ぶものは無い。

J-20だが、公開されている情報は少なく、断定できるほどの情報は無いが、現在の常識的な判断としてある程度の解析は可能だ。

【J-20の性能解析】

●ステルス性

前方からのステルス性はある程度考慮していると思われる。

翼の角度や垂直尾翼(斜めだが)の角度、空気取り入れ口などにステルス対策があるようだ。

しかし、ステルス性には悪影響のあるカナードや腹びれのベントラルフィンなどがある点、補助翼などの動作機構の成型などが大きく粗い点などから、到底F-22には及ばないと推定できる。

また、後方などからのステルス性はもっと限定的で、その大きさ(F-22より大きくF-111やMig-31並み)と合わせ、第5世代のステルス性を持っているとは言えない。

ステルス性能を表すRCS(Radar cross section, レーダー反射断面積)はレーダーの探知距離に対して4乗根に比例するので、単純に探知距離を半分にしようとするとRCSはその4乗の16分の1にしなければならない。

日本の次期戦闘機の候補にもなっているユーロファイター・タイフーンはRCSが1㎡と言われ、F-15Eなどの15㎡に対してかなり優れているが、それでも探知距離は半分程度にしかならない。

逆にF-22は0.001㎡以下と言われている。

即ち、F-22相当のステルス性は、翼の形状、配置、エンジンノズル、表面のコーティングなど、全ての点を犠牲にせず追求しなければ実現できない。

J-20がそのようにしているとは全く言えない。

●エンジン

機体の大きさに比べ、エンジンが小さすぎる。

また、中国のこれまでの技術的蓄積から言って、超音速巡航能力をもつエンジンを独自に開発することは、現時点で不可能だろう。

ノズルには推力偏向装置なども無いようであり、スピード・機動性のどちらも、F-22に及ばないだろう。

エンジンの開発は、日本のように何十年も最新のエンジンをライセンス生産してきている国でも相当に難しく、時間と経費がかかる。

合衆国とイギリスとロシアの限られた企業でしか生産できないエンジンを、実績も少ない中国が開発できる可能性は少ない。

実際的には、ロシアから購入することになるだろう。

●電子装備

見えないので、完全な推測だが、フェーズドアレイレーダーの技術力も低いので、AESAレーダーを装備している可能性は少ない。

もっと大型で搭載しやすい艦船のレーダーにおいても、ようやくパッシブ式フェーズドアレイレーダーを装備し始めたところなので、今後もしばらくは難しいだろう。

ちなみに、現在の日本のレーダー技術は米国に次ぐもので、戦闘機用AESAレーダー(F-2)の実用も世界で最も早かった。艦船でも早くに実用レベルの多機能アクティブ・フェーズドアレイレーダーを有していた。

●共同交戦能力

これが一番難しいところだと思う。

中国は未だ早期警戒機の配備が少なく、自国開発出来ていない。

また、全軍の改革を進めているが、長年にわたり遅滞した巨大な組織を改革するのは難しいだろう。時間がかかる。

個々の戦闘機や戦車の技術水準を高めることは、力技で何とか出来るだろうが、全軍を一定の水準に上げるのは、これからも時間がかかると思われる。

共同交戦能力には軍隊内の情報の運用などの改革も必要で、人員全てが一定の情報スキルが必要だ。

それには、兵員の質を高めることが必要だが、軍が政治的な地位や経済的な利益に結びついている現状、国内の治安維持の為に何十万もの兵力を必要とする点などから、いくら経済規模が拡大しても、米国や西ヨーロッパの軍隊のような情報能力の高い軍隊に進化するにはかなりの時間と努力が必要だろう。

■結論

J-20の実力は良くて4.5世代機レベルだろう。もちろん技術蓄積のための開発機というレベルなので、現時点の性能で将来の脅威度を図ることは出来ないが、当面、これらがF-22の脅威になることは無いだろう。

また、日本の防空に対しても、まだ、直接の脅威にはなっていない。

対空防空のJADGEシステムや早期警戒機で探知できないような戦闘機では無いということだ。

スホーイT-50

別件 スホーイT-50

これまた情報が少ないが、ロシアはこれまでの開発経緯があるので少し推測しやすい。

●ステルス性

は、以前より改良されている。ミグ1.44のような変な方向ではなく、F-22などを良く勉強している。

しかし、表面のコーティングや細部の処理などはまだまだ十分でなく、このレベルでは、まだ、本格的なステルス性の開発も出来ないと思われる。

細部の仕上がりなどが悪いと、全体の角度の統一などを行っていても、その一部がレーダーを反射してしまい、実測値の比較などは意味をなさないからだ。

表面のコーティングや細部の仕上がりは、全体の形状の設計と同レベルで行わないと意味が無いのだ。

この点で、T-50もまだまだである。

●電子装備

AESAレーダーは開発途上にあり、しばらくはまだ難しい。

●エンジン

は相当に実力を持っていると思われる。

推力偏向などの技術も蓄積があり、これまでの戦闘機の性能からもF-22に匹敵するスピードや機動性を持っているだろう。

但し、第5世代機として、最重要の性能ではない。

■結論

こちらも、しばらくは脅威にならない。

全体において、F-22は無敵だし、日本の防空も問題なさそうだが、中国のJ-20とロシアのT-50は別々に考えるべきではないだろう。

両国が本気でF-22の対抗馬を考えるなら、共同での開発、お互いを補足するような開発になると思われる。

ロシアや中国が国内の紛争や民族問題を解決して、軍隊が近代的になった時に、本当のF-22のライバルが現れるだろう

※参考図書
値段は高いが、お遊びでない本格的な読み物としては満足。
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