自衛隊と中国軍、もし戦争したら?

昨今、中国の軍事的膨張が話題になるが、その中で、日本と中国の海軍の状況を検討して見ようと思う。

まず、結論を述べると、現在、まだ、中国海軍が海上自衛隊の致命的な脅威にはなっていない。

中国が尖閣諸島のような日本の領海の端っこであっても、持続的に制海権を確立することは難しい。

中国軍の現在の能力では、沿岸から対空ミサイルや戦闘機、地上発射型対艦ミサイルの有効圏でなければ自由な行動は出来ないだろう。

これは、逆に言うと、海上自衛隊とその同盟国のアメリカ合衆国海軍の能力が圧倒的に高いということである。

地勢的に言うと、中国も、ロシアほどではないが、太平洋への出口を韓国、日本、台湾に囲まれている。

脅威は減ったとは言え、長い国境でロシアやインドなどと接しているのも不利である。

日本にとっての米国のような信頼できる同盟国が無い。

独自外交の不利な面である

艦船では、
潜水艦、機雷戦能力、防空能力が不十分で、日米の海軍にまともにぶつかることは出来ない。

空母1隻を用意したところで、沿岸から離れた、例えば沖縄近海で、潜水艦や対艦ミサイル、航空機の攻撃を防ぎつつ作戦出来ない。

一方、注意すべきは
戦略原潜、攻撃原潜、潜水艦である。

現在のところ、遠洋域へ脱出した原潜を補足したり、ペルシャ湾まで往来する商船・タンカーを中国海軍原潜から守る手段を日本は保有しない。

戦略原潜は、搭載する弾道ミサイルの射程が短いので、米国にとってまだ脅威は少ないが、
日本にとっては致命的な脅威である。

これがある限り、日本が中国の死線を制するような攻撃をすることは出来ないということである。

即ち、中国の沿岸を封鎖して、無制限の潜水艦戦を行うとか、台湾へ軍隊を送るとかは、中国の核戦力を封じる手段がないと不可能。

また通常動力潜水艦も増勢しており、性能もType039「元型」やロシアのキロ級が
合わせて20隻以上あり、かなりの脅威である。

沖縄と、石垣島と尖閣諸島を結ぶ線の周りを防衛することは可能だが、戦域が広がると、
現在の護衛艦の数、40隻程度では対応が難しくなる。

sino defence 参照

新しいDDHでも、その数が4隻程度では絶対的な海域の安全は確立できない。

出来れば原潜を装備すべきだろう。

両国が本当にアホで、戦争する場合は、以下のシナリオが考えられる。
単に興味本位のネタだが、

尖閣諸島での中国民間人の侵入を海自が防衛出動で応え、
中国軍がその保護を名目に尖閣諸島を占領、

中国軍が戦争の拡大を否定し、核兵器の使用も検討したので、米国は介入を留まる。

海自は、尖閣諸島周辺を封鎖して、潜水艦と機雷戦艦艇をイージス艦とF-15の支援を受けつつ投入。

尖閣諸島は沖縄から400kmくらい、石垣島から200km弱、
台湾からも200km程度で、中国本土沿岸からは400km位、

つまり沖縄と中国からはほぼ同距離である。

石垣各島に飛行場があり、そこに展開できるのも日本が有利。

また、沖縄からもF-15が作戦可能だが、
長期の戦闘機の滞空は難しい。
450海里の戦闘行動半径を持つF-2も対艦攻撃任務であれば十分行える

これは中国も同じだが、早期警戒機と給油機を持たないことが致命的な弱点となる。

航空自衛隊と海上自衛隊の連携、協力がカギとなる。

特に早期警戒機とイージス艦が協同で対空監視・警戒が出来れば、現状の中国軍ではそれを突破することは難しいであろう。

有力なカタパルトを持たず、艦上機としても能力不足のSu-27を運用する程度の中国軍の空母も、ここでは有効な働きは出来ないであろう。

逆に、のこのこ戦闘海域に出てくれば、潜水艦や攻撃機の格好の標的となり、
十分な対空防御能力の無い中国護衛艦では空母を守りきれないであろう。

さらに、
この場合、中国は尖閣諸島に兵力を注入し続ける必要があるので、
兵力を日本の封鎖線内に侵入させなければならない。

このパターンでは、中国の原潜も補足しやすくなる。

接近海域での海峡(と言っても島と島の間なのでとても長い)に機雷を敷設して、潜水艦を待機させればよいからだ。

但し、外洋作戦では、インド洋、ペルシャ湾へ続く航路を、互いに十分に防衛は出来ないので、そこまで拡大しないだろう。

もし行えば、互いに消耗戦となるだろう、

原潜を有する中国は、遠洋域でも作戦可能なので、潜水艦を派遣できない海上自衛隊より攻撃力があるが、
究極のところ、日本は太平洋側に開けた航路があるので、中国の方が不利である。

例え、原潜であっても、単独では、実戦下で何か月も作戦することは出来ないからだ。
必ず、補給など支援が必要なので、そこを日本軍が突けば原潜の行動を制限できる。

太平洋全域を戦場に出来ないことは、太平洋への進出が、未だ、中国海軍の「夢」であることからも明白。
米軍を相手にすると勝てない。

結局、中国はたとえ小さな尖閣諸島でも、そこを日本海軍を相手に実効維持出来ない。
補給が続かず、撤退することになる。

勿論、日本にも遠征戦闘の能力が低いので、日本も尖閣諸島を長期に占領できないが、
すでに実効支配が確立しているので、両方が占領できなければ日本の戦略的勝利と言える。

戦争が拡大した場合、核戦力を使った場合はまったく違う展開になるが、
日本にとって、米国との同盟が極めて重要なことは明白であり、

もし中国と戦争する気なら(もしくは中国にその気があるなら)、沖縄への展開能力の向上は必須となる。

例え、兵力そのものを分散するにしても、戦時に、沖縄が1万人以上の米海兵隊を受け入れ、展開可能なら、
中国は尖閣だけでなく、台湾も守らないといけないが、さすがに、1万人の上陸戦兵力を防ぐことは大変である。

問題は、この機会に、中国軍が台湾への侵攻を図る場合だ。

台湾海峡は距離が130km強で、遠距離での強襲能力を持たない中国軍であってもギリギリ上陸可能である。

また、実際に中国はそのために、台湾海峡沿岸部に、台湾までを有効射程に収める対地ミサイル、対空ミサイル、対艦ミサイルを配備しており、
例え米機動部隊でもおいそれとは近づくことは出来ない。

中国の言う、第一列島線以内の確保は有効になりつつある。

これに対するは、海峡を機雷で封鎖して、潜水艦で補給線を攻撃するのが最も効果的であるが、
現在、台湾は有効な潜水艦と機雷戦能力を有していない、
さらに、対空ミサイル、戦闘機も、中国本土との経済関係を重視する欧米の方針でほとんど更新されていない。

台湾の防衛能力は相対的に低下しているのである。

台湾自身が実質的に資本主義イデオロギーの固守を放棄して、中国の経済進出を受け入れているので、
将来、中国が台湾へ軍事侵攻しても米国や日本はそれを黙認する可能性がある。

まあ、元々同じ国だったのだから、ドイツと同じように併合されることになってもしょうがないとも考える。

話が台湾まで及んだが、とにかく、
現状では、日本の軍事的防衛には米国との同盟が不可欠であり、その具体的な礎は沖縄に駐留する膨大な米軍なのだ。

米国にとって、これだけ強大な戦力を海外で展開できるのは、今や日本だけであり、沖縄は世界最大の米軍海外基地なのだ。
(すでに欧州にはそんな基地はなく、イラクやアフガニスタンは戦争のために派遣されている)
沖縄の米軍を減らすためには、日本周辺国との戦略的外交や軍事的役割の引き継ぎ、つまり軍拡が必要になる。

尖閣諸島のような小さな島に両国が固執しなくても良い関係を築くとともに、
どんなことをしても、日本の実効支配域の島に手を出すのは不可能だと思わせる戦力を用意すれば、
日本にとっては駐留する米軍の価値は下がり、兵力の削減を求めることが出来るようになるのだ。

福島原発事故があったので、当面原潜の装備は難しいが、
逆に、科学技術の総力を挙げて、蓄電池や燃料電池などの性能をアップさせ、自動化した機雷戦システムなどを構築し、
空自・海自(ついでに陸自)の共同交戦能力、即ち情報システムの共通化を図ることが、
経済的な効果もある、国家の大計になるのではないだろうか。

それが出来ないから、沖縄に負担を押し付ける結果になっている。

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